友達ドール2


***


週末。

いつもより人の多い最寄りの駅から新幹線と電車を乗り継ぎ、私とひなたは目的地を目指す。

片道2時間かけて着いたのは寂れた駅のホーム。

ここから先、あとは歩いて向かうだけになった。

改札を出て人通りの少ない田舎道を進む私の手には、キレイにラッピングされた花束。

歩くたび、それがカサカサと音をたてる。

赤をメインにしてピンク、オレンジでまとめられたその花々の色は、生前の雛が好きだと言っていた色を合わせた物だ。

…こんな事なら好きな花の種類も聞いておくべきだったな、と買うときに少しだけ後悔した。

ろくに整備されていない砂利道から草木の茂る森の中に入る。

獣道だというのに向かう方向…進む道がハッキリと分かるのは、きっとこの場所が有名な心霊スポットだからだろう。

皆、同じ道を通ってあの場所へ行くんだ。

20分ぐらい歩いて、ようやく深い茂みから抜け出す。

目の前には…目指していた廃墟があった。


「…あの時と、何も変わってないな…」


思わず呟くと、ひなたがそれに反応した。


「ん?何か言った?奏ちゃん」


私は首を振る。


「ううん、何でも…行こうか、お花を供えてこないと」


「うん、そうだね」


伸びた雑草を踏みしめながら、廃墟に近づく。

思い出した記憶を頼りに、一歩ずつ。

そして、雛の死体があった場所で足を止めた。

…ここで、雛は…。