友達ドール2


ひなたが傍にしゃがみこんで、私の背中をさする。

吐き出す物が胃液だけになっても、私の嘔吐はしばらく続いた。

頭の痛みは、もう感じない。

むしろモヤが晴れたように、スッキリとしている。


「はぁ…っ…はぁ……」


それからどれくらい経っただろう。

私は乱れた息を整えるために、小さく浅い呼吸を繰り返した。

ひなたがレバーに手を伸ばし、吐しゃ物で汚れたトイレの水を流す。

それを眺めながら近くの壁にもたれかかった。

吐く事に疲れて、立ち上がる気力すらわかない。

トイレの床に座りこんだまま、ぼんやりとした目で呼吸をする。


「待ってて、お水を持ってくるから」


ひなたがパタパタと足音を立てて去って行く。

それを力なく視線だけで追いかけた。

恐らくキッチンに行ったのだろう。

遠くから戸棚を開く音がした。

カチャカチャとコップを取り出す音、そして水を注ぐ音がする。

ひなたが戻ってきたのはそれからすぐの事だった。