茶色い袋が、そこにポツンとあった。
ゆっくりと手を伸ばして、袋を引っ張り出す。
頭が痛い___。
心臓が、うるさく脈打っている。
ごくりとツバを飲み込んだ。
___これを見ちゃいけない。
___いや、見なきゃいけない。
___見なくていい。
___見るべきだ。
正反対の感情が目まぐるしく頭を巡る。
私は___。
私は、袋を、のぞきこんだ。
そして。
「___っ…!!」
その中に、あったのは…。
長いロープと、たくさんの薬の箱。
瞬間。
頭の中に記憶が流れだした。
泣いている私。
スマホの画面を見ている私。
雛と話した事。
ロープを買う私。
薬を買う私。
そして。
それから。
___あぁ、そうだ。
私は。
私は私は私は私は私は…私、は……。
全て、思い出した。
ひなたに嘘をついていた事。
私が雛を…裏切った事。
「っ…お、ぇ……!!」
こみ上げてきた吐き気に、私は口元を押さえた。
そのまま部屋を飛び出し、トイレへと転がるように駆け込む。
「奏ちゃんっ!?」
驚いたひなたの声。
こちらに走ってくる足音を聞きながら、私は胃の中の物を全てトイレに吐き出した。



