「…っ…ひなた、スマホ貸してくれる…?」
私の言葉にひなたが鞄からスマホを出した。
それを私の手に握らせる。
頭の痛みに顔を歪ませながら、スマホを起動して雛のアカウントに飛ぶ。
「『私達が行く場所に咲く花』…これは…もしかして…」
パスワードの入力画面で私は指を滑らせる。
___彼岸花。
そう打ち込んで決定を押した。
すると。
「…いけた…!」
パスワードが当たり、投稿文が読めるようになっていた。
私はそのまま画面をオフにする。
「ひなた…いけたよ、彼岸花で…当たりだった…」
「うん。良かったわね、奏ちゃん…でも今は」
心配そうに眉を寄せるひなたと目が合う。
言いたい事はよく分かってる。
私は頭を押さえながら口を開いた。
「うん…。家に帰って、頭痛が治まってから…それから、ゆっくり見よう」
ひなたにスマホを渡す。
ふらふらとした足取りで、私はトイレから出た。
ひなたが寄り添い、体を支える。
…家に帰らなきゃ。
あの投稿文、その続きを見なくちゃ…。
そうしたら…分かるかもしれない。
思い出すかもしれない。
聞きたい事がある。
知りたい事があるの。
ねぇ、雛…何で彼岸花がパスワードの答えなの?
___地獄と繋がる花。
___地獄に咲く花。
何で…あなたの行く場所が“地獄”なの?



