「私じゃないですって!」
「学校から借りた物にこんなことして、謝罪の言葉もないんですか?」
「だからぁ」
……どうやら、図書委員と揉めているらしい。
眼鏡をかけた、いかにも真面目そうな女子生徒とサナがに睨み合っている。
あの女子生徒…知ってるかも。
本の扱いに物凄く厳しいって言われてる人だ。
目をつけられるなんて可哀想に…。
そう思いながら私は図鑑のページをめくった。
***
30分は経っただろうか。
私はひなたを見た。
ひなたは私と視線が合うなり、首を横に振る。
……どうやらひなたの方もまだ収穫はないらしい。
花も、その名前もたくさんあるけど…どれがパスワードの答えか分からない。
取りあえず片っ端からノートに名前を連ねているけど…。
なぜここで直接サイトにアクセスして打ち込んでいかないのかというと…あの図書委員の女子生徒がいるから。
図書室でスマホをいじったりしたら、どれだけ怒られるか分からない。
「あれ…、二人ともまだ調べ物終わってなかったんだ」
どこか疲れた顔のサナが声をかけてきた。
「お疲れ様、サナ…大変だったね」
「ホントだよ…あの図書委員マジでムカつく…!」
プルプルと拳を震わせるサナを見て、ひなたが心配そうに口を開いた。
「もめていたみたいだけど…何があったの?」
「そう、それ…!聞いてよ二人とも…!」
その言葉を待っていたと言わんばかりに、サナが小声でひなたの隣の席に座る。
私の隣も空いてるのに、わざわざひなたの隣を選ぶなんて…。
また少しだけ、胸がモヤッとした。
サナがヒソヒソと話し始める。



