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次の日。
全ての授業を終えた私達は、鞄を持ち図書室へと急ぐ。
「あれ、二人とも急いでる?どっか行くの?」
その途中、サナが声をかけてきた。
どうやら他クラスの友達と話していたらしい。
「うん…ちょっと図書室で調べ物を」
私がそう言うと、サナは目を輝かせた。
「じゃあ私もついて行っていい?ちょうど借りてた本も返さないとだったし…ねっ、いいでしょ?」
サナが必死に頼み込む。
たぶん、ひなたと話したいのだろう。
今日も登校してすぐクラスメイト達に囲まれていたから、サナは満足に話せていないはずだ。
「あー…うん、いいよ」
私は苦笑いを浮かべながら頷く。
「やった!ありがと奏!」
それから図書室までの道を進む間。
サナはひなたにずっと話しかけて楽しそうにしていた。
…その光景に少しだけ心がモヤモヤとする。
“ひなたは私の友達なのに”…なんて思うのはさすがに心が狭すぎるかな…。
「奏ちゃん、着いたよ」
「あ…うん、そうだね」
図書室の前、閉じられている戸を引いて中へと入る。
図書室は空いていて、人もまばらだった。
「それじゃあサナ、私達は本を探してくるね」
「うん、こっちも返却してくる~」
そう言ってサナと別れ、私とひなたは花が載っている図鑑を探す。
古びた表紙の物から新しい物まで、探せるだけ探して図書室の長い机へと置く。
「…よし、調べようか」
「うん」
ふと、返却口からサナの声がした。



