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それから、結局。
私は放課後まで眠ってしまっていたらしい。
そんなに眠ってたなんて…先生に起こされたときは思ってもいなかった。
「もう大丈夫そう?まだ具合が悪いなら、親御さんに連絡をしましょうか?」
「いえ…大丈夫です、帰れます」
「そう?気をつけてね」
優しく微笑む先生に頭を下げて、保健室を後にする。
廊下に出るとひなたがいた。
「奏ちゃん、鞄、持ってきたよ」
二人分の鞄を持って笑うひなたから、自分の鞄を受け取る。
「ありがとう、重かったでしょ?」
「このくらい平気だよ~」
むん、と力こぶを作るひなたにクスクスと笑みがこぼれた。
上履きから靴に履き替えて、校門を出る。
空はすっかり夕焼けに染まっていた。
「奏ちゃん、スーパーに寄っていってもいい?」
「うん、夕飯の買い出し?」
「ふふふ、今ならリクエスト受付中だよ」
二人で近くのスーパーに寄り、食材を買う。
代金はひなたが払った。
お金は事前にエリスさんからもらっていたらしい。
「うーん、特売だったからたくさん買っちゃった!」
満足げにひなたが呟く。
買い物が終わる頃には、空のオレンジが更に濃くなっていた。
スーパーの袋をぶら下げながら帰り道を急ぐ。
ふと花屋さんが目に入り、私の足が止まった。
「奏ちゃん?」
ひなたから声をかけられて我に返る。
「あ…ごめん、どうかした?」
「ううん、お花屋さんを見てたから、気になっちゃって…なにか欲しいお花があった?」
「あ……えっと」



