「はい、えー…今日はこのクラスに新しい仲間が増えます。入ってきてくれ」
担任の紹介を受けて、ひなたが教室に入ってきた。
同時にクラスメイト達がどよめく。
男子はもちろん、女子もひなたに釘付けだった。
全員からの視線を浴びながら、ひなたが口を開く。
「中原ひなたです。これからよろしくお願いします」
“中原”というのはエリスさんがひなたに与えた苗字らしい。
深々と頭を下げるひなたに、溢れんばかりの歓迎の拍手が送られた。
***
「ねぇねぇ、中原さんって前はどこにいたの?」
「めちゃ髪キレイだよね!なに使ってるのー?」
「好きなタイプとか教えてよ!」
「コラ男子!そういうの中原さん困るでしょ!」
教室の中を質問が飛び交う。
昼休みを迎えた瞬間、ひなたの姿はクラスメイト達によって隠されてしまった。
「あっという間に中原さん囲まれちゃったね」
「うん…ビックリした」
人だかりから少し離れた場所で、サナと目を見合わせた。
僅かな隙間から見えたひなたは、一人一人の質問に律儀に答えているようだ。
「サナもひなたに質問しに行くと思ってたよ、行かなくてよかったの?」
「行こうと思ってたけど無理だったの!出遅れちゃった…あーあ、私も中原さんとおしゃべりしたかったのになぁ」
悔しそうに呟くサナ。
しばらく唸った後、視線を上げて期待するように私を見つめた。



