友達ドール2


手を繋いだまま校門をくぐり、上履きに履き替える。

そしてひなたを職員室の前まで連れて行った。


「それじゃあ、私は教室に行くね」


「うん。また後でね、奏ちゃん」


ひなたと手を振って別れた後、階段を上がり3年の教室まで向かう。

いつもよりやけに賑やかなクラスメイト達の話題は、すでに転校生のことで持ちきりだった。


「奏、おはよう!」


私の姿を見るなり、クラスで一番仲が良いサナが声をかけてくる。


「おはよう、サナ」


「ねぇ知ってる!?大ニュースだよ!転校生だって~!」


「知ってる、転校してくるの友達だもん」


ひなたのことは“友達”と言ったけど、サナのことはそう思えていない。

確かに仲は良いし、よく話すけど…サナには雛の事件のことを話せていないから。

悩みを打ち明けられない関係を、私は“友達”と言いたくなかった。


「え、そうなの!?」


サナがこれでもかと目を丸くする。

その反応に思わず吹き出す。


「やだ、サナってば驚きすぎだよ」


そのとき、先生がドアを開けて教室へと入ってきた。


「皆、席につけー、ほらそこ!静かに」


先生の声に従い、クラスの全員が席へと戻る。

そわそわとした空気は“転校生”が気になるからだろう。

転校生がひなただと知っている私は、少しだけ得意気に背筋を伸ばした。