友達ドール2


朝。


「…ん…」


目が覚めた私は、布団から半身を上げる。

そして寝ぼけまなこで辺りを見回した。

ひなたがいない…。

どこに行ったんだろう?


「ひなた…?」


立ち上がり、廊下へと続くふすまを開ける。

するとキッチンの方から良い匂いがただよってきた。

懐かしい。

お母さんが生きていた頃を思い出す。

匂いのする方向へと導かれるように足を運ぶ。

すると、台所にひなたが立っていた。

昨日とは違う洋服の上に、エプロンをしている。

私に気づくなり、ひなたが微笑んだ。


「あ、おはよう奏ちゃん。朝ご飯、もうすぐできるからね」


コトコトと火にかけられたお味噌汁。

ジュージューとフライパンで焼かれるベーコン…そこに割られた卵がのせられる。

辺りを満たす良い匂いに、よだれが口内にたまっていくのを感じた。


「ふふ、すぐに作っちゃうから、お顔を洗っておいで」


ひなたの言葉に頷き、早足で洗面所へと向かった。

出しっぱなしのヒゲ剃りを見るに、お父さんは一足先に仕事へ行ったらしい。

蛇口をひねり、水を出して顔を洗う。

頭の痛みはすっかりとれていて、スッキリしていた。

タオルで顔を拭き、再び台所へと戻る。

テーブルには朝ご飯の用意がされていた。