友達ドール2


***


数ヶ月後、私と琴李は再び二人で出かけた。

目的地は雛が最期を遂げた、あの廃墟。

久しぶりに訪れたその場所は、相変わらず寂しい場所だった。


「実由ちゃん、あれ…」


琴李が指で指し示した先に、ある物を見つける。

すっかり枯れ果てた花束が、雛の亡くなった場所に置かれていた。


「…他にも雛の事を思ってくれてる人がいたのかな」


呟きながら、私も持参した花束をその隣に置いた。

オレンジのリボンでラッピングされたそれの前で、私と琴李は並んで手を合わせた。


「あのね、雛…私スクールカウンセラーを目指す事にしたよ」


雛みたいにイジメを受けている子供の…心の負担を減らしたくて、考えた結果だ。

琴李もそれを応援してくれている。


「一人でもたくさんの子供達の心に寄り添って、イジメを減らすために活動していく…琴李と一緒に。…だから…見守っててね」


そよそよと吹いた風が、少し伸びた私の髪の毛を撫でていった。


「…さあ、帰ろうか、琴李」


「うん、お勉強しなきゃだもんね」


「そうだよ、もう勉強地獄!受験まであっという間だし!」


「ふふ…一緒に頑張ろうね、実由ちゃん」


二人で手を繋ぎ、廃墟を後にする。

視界の端で雛を見つけた気がして…振り返ろうとしたけど、止めた。

次に会うのは、私が死んだ時だから。

それまでは、まだ。

のどかな道に出て駅を目指して歩く。

私の贖罪はまだ始まったばかりだった。