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数ヶ月後、私と琴李は再び二人で出かけた。
目的地は雛が最期を遂げた、あの廃墟。
久しぶりに訪れたその場所は、相変わらず寂しい場所だった。
「実由ちゃん、あれ…」
琴李が指で指し示した先に、ある物を見つける。
すっかり枯れ果てた花束が、雛の亡くなった場所に置かれていた。
「…他にも雛の事を思ってくれてる人がいたのかな」
呟きながら、私も持参した花束をその隣に置いた。
オレンジのリボンでラッピングされたそれの前で、私と琴李は並んで手を合わせた。
「あのね、雛…私スクールカウンセラーを目指す事にしたよ」
雛みたいにイジメを受けている子供の…心の負担を減らしたくて、考えた結果だ。
琴李もそれを応援してくれている。
「一人でもたくさんの子供達の心に寄り添って、イジメを減らすために活動していく…琴李と一緒に。…だから…見守っててね」
そよそよと吹いた風が、少し伸びた私の髪の毛を撫でていった。
「…さあ、帰ろうか、琴李」
「うん、お勉強しなきゃだもんね」
「そうだよ、もう勉強地獄!受験まであっという間だし!」
「ふふ…一緒に頑張ろうね、実由ちゃん」
二人で手を繋ぎ、廃墟を後にする。
視界の端で雛を見つけた気がして…振り返ろうとしたけど、止めた。
次に会うのは、私が死んだ時だから。
それまでは、まだ。
のどかな道に出て駅を目指して歩く。
私の贖罪はまだ始まったばかりだった。



