「私…実由ちゃんが死にたいなら止めないよ。その時は私も一緒に逝くだけだから。…でも生きて償う方法を探してからでもいいんじゃないかな?」
「…生きて…償う方法…?」
「うん、そうだよ」
琴李が冷え切った私の手を握りしめて笑った。
彼女の手はいつも温かくて心地いい。
「生きて償う方法を探して…実由ちゃんがそれでも死にたいって思うなら…その時は私があなたを殺してあげる」
私の目が瞬いた。
琴李の口から“殺してあげる”なんて言葉が出た事に驚いている。
私の様子を見て、彼女はえへへと無邪気に目を細めた。
「大丈夫、上手にやるよ。イジメていた時もちゃんと上手にできてたでしょう?一番優しい方法で殺してあげる…そうすれば」
琴李はそこで言葉を区切り、私を見た。
「そうすれば…実由ちゃんも雛ちゃんのいる所に逝けるでしょう?お互い“他殺”で“自殺”じゃないんだもの…きっと二人共、天国で会えるよ」
琴李が笑う。
無邪気に、心からの優しい言葉を響かせて。
ふと、雛が言っていた事を思い出す。
自殺をした人間は地獄に落ちる。
それなら、雛は今、天国にいるんだろうか。
お母さんには会えているだろうか。
そう思うなり視界が滲んだ。
目頭が熱くなって、ぽたぽたと涙が流れ落ちる。
「…ね、実由ちゃん…ダメかな?実由ちゃんが生きて罪を償う方法を見つけるチャンスを…私にくれないかな?」
琴李の指先が、私の濡れた目元を拭う。
鼻をすすりながら私は小さく頷いた。



