友達ドール2


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その日、私は早起きをして朝一番に家を出た。

長い時間、電車とバスを経由して目的の場所へ向かう。

雛と電話で何度か話していた心霊スポットとして有名な廃墟。

途中、運悪く電車が遅れて目的地に到着したのは昼の12時過ぎだった。

人の少ない改札を通る。

視界の端に映った女の子が青白い顔をして駅のベンチに座っていたのが見えた。

追い詰められたような表情をしていたから気になったのを覚えている。

だけど私は彼女に声をかける事なく先を急いだ。

スマホでマップを見ながら廃墟に向かう。

生い茂った草木の中を獣道を頼りに進む。

到着した廃墟は何かの施設だったらしく、五階建ての建築物だった。

一階と二階の窓は割られている所が多く、落書きも目立つ。

廃墟を見上げるように視線を上げた時、屋上に誰かの姿を見た。

屋上のふちに腰かけた背中。

短い髪の毛が風に舞っていた。

___あの子が、雛だ。

理解した瞬間、急かされるように足が動いた。

ホコリっぽい廃墟の中を歩く。

随分と荒れた様子の建物内。

たくさんの椅子や机が散乱している。

板張りの床は腐りかけているのか、踏んだ瞬間に軋んで音を立てていた。