人の命を奪った罪は、結局命でしか償えない。
それが私の結論だった。
風が吹き、草木が揺れる。
短くなった髪の毛が、サラリと揺れて頬を撫でた。
「実由ちゃんはきっと…ずっと一人で悩んできたんだよね、雛ちゃんの事」
琴李の声に視線を動かした。
彼女はベンチから立ち上がり、ソフトクリームの紙くずをゴミ箱へ捨てた。
そして私の横に座り直し、穏やかに笑みを浮かべる。
「ネモフィラの花言葉って知ってる?」
首を横に振った。
雛だったら、分かったのだろうか。
あの子は花が好きだったから。
琴李が私の手を握って、ベンチから立ち上がる。
それにつられるように私も立ち上がり、歩き始めた琴李の後ろをついて行く。
立ち止まった先にはネモフィラの花畑が広がっていた。
「ネモフィラの花言葉には…“あなたを許す”っていう言葉があるんだって」
「あなたを…許す…」
琴李が両手で私の手を握りしめる。
そして、小さく首を傾げながら言った。
「自分の事を許してあげて…?実由ちゃんはちゃんと償おうとしてたって…私、知ってるよ」
琴李がこの花畑を選んだ理由がようやく分かった。
優しいこの子の事だ。
私が雛の事で悩んでいるって知っていたから…その気持ちが楽になるように、ここを選んで連れてきてくれたんだろう。
それだけで。
それだけの事で、心が僅かに許された気がした。
でも。



