友達ドール2


人の命を奪った罪は、結局命でしか償えない。

それが私の結論だった。

風が吹き、草木が揺れる。

短くなった髪の毛が、サラリと揺れて頬を撫でた。


「実由ちゃんはきっと…ずっと一人で悩んできたんだよね、雛ちゃんの事」


琴李の声に視線を動かした。

彼女はベンチから立ち上がり、ソフトクリームの紙くずをゴミ箱へ捨てた。

そして私の横に座り直し、穏やかに笑みを浮かべる。


「ネモフィラの花言葉って知ってる?」


首を横に振った。

雛だったら、分かったのだろうか。

あの子は花が好きだったから。

琴李が私の手を握って、ベンチから立ち上がる。

それにつられるように私も立ち上がり、歩き始めた琴李の後ろをついて行く。

立ち止まった先にはネモフィラの花畑が広がっていた。


「ネモフィラの花言葉には…“あなたを許す”っていう言葉があるんだって」


「あなたを…許す…」


琴李が両手で私の手を握りしめる。

そして、小さく首を傾げながら言った。


「自分の事を許してあげて…?実由ちゃんはちゃんと償おうとしてたって…私、知ってるよ」


琴李がこの花畑を選んだ理由がようやく分かった。

優しいこの子の事だ。

私が雛の事で悩んでいるって知っていたから…その気持ちが楽になるように、ここを選んで連れてきてくれたんだろう。

それだけで。

それだけの事で、心が僅かに許された気がした。

でも。