胸の鼓動が早くなる。
言ってしまった。
琴李はどんな顔をしているだろう。
冗談だと思われるだろうか。
それとも…この事実こそ否定されてしまうだろうか。
人を殺したなんて…イジメてもらいたいという願望より、あり得ない内容だ。
___実由、あんた、おかしいよ。
ミオに言われた言葉が頭をよぎる。
私は心臓が飛び出そうなくらいの緊張の中、口を開いた。
「琴李は…私が人殺しだって知って、どう思う?」
琴李は…首を傾げたまま、笑った。
「実由ちゃんが捕まらなくて良かったなって思う」
なんだ、そんな事?…そんな風に言われたものだから、私は面食らった。
手のひらがじんわりと湿っている。
目を閉じて開いてを繰り返して、私はようやく言葉をひねり出した。
「…責めないの?人を…殺してるのに」
「うん…えっと、責めた方がよかった…?」
「それ、は…」
私は何も言えない。
責められたいわけではなかった。
だけどこれは…責められなければいけない事だ。
「私は…」
汚れのない、純粋無垢な瞳でこちらを見つめる琴李と目が合う。
先に視線を逸らしたのは、私だった。
「私は…人を殺した人間は死んだ方がいいって思ってる」



