一方的にそう告げられて電話が切れた後、私の首筋に冷や汗が流れた。
「雛に電話で言われた通り、彼女のSNSを見て…鍵付きの投稿文を開いたの」
鍵のパスワードは検索すればすぐに出てきた。
彼岸花。
あの世に咲く花。
雛と話した事がある、不気味な花。
「そこに書かれていた文章を見て…確信した。雛は…自殺しようとしてるって」
「雛ちゃんは…自殺だったの…?」
そう言いながら琴李が溶け出したソフトクリームを慌てて口にする。
一足先に食べ終えた私は、コーンに巻かれていた紙を丸めて立ち上がり、近くのゴミ箱に捨てた。
再びベンチに座り、あの日の事を思い出す。
そして、琴李を見つめながら事実を告げた。
ずっと誰にも言えなかった、私の罪。
「雛は…自殺じゃないよ。私が、殺したの」
琴李が首を傾げる。
声は発さない。
緩やかに流れていく時間。
私達の周りの音だけが、やけに静かに聞こえる。
子供の笑う声。
誰かが走る音。
注文を取る店員さんの高い声。
横切るカップルの持っている袋の音。
私はもう一度、はっきりとした口調で言った。
「…私が…雛を殺したんだよ」
鼓膜を震わせた自らの声は、僅かに震えていた。



