友達ドール2


「もちろん…その、私でいいのなら」


「ありがと」


小さく笑って、私は空を見上げた。

まず話すべきなのは…私達の出会いからかな。


「私と雛が初めて会ったのは、中学の頃の修学旅行先だった。自由行動で班に分かれて散策してた時、突然“やめて”って声が聞こえたの」


人通りの少ない路地だった。

私は班から抜け出して声のした方へ向かって…そこで雛と会った。


「声の主は雛だった。雛は私とは違う学校だったんだけど、修学旅行先が被ってたみたいで…班の子達からイジメを受けてたの」


「イジメを…?」


「うん…髪を引っ張られて泣いてる雛を見て放っておけなくて…私は声をかけた」


___やめなよ、イジメとかみっともないよ。


私が大きな声で言い放つなり、雛をイジメていた子達が大慌てで逃げていったのを覚えてる。

取り残された雛はボサボサの髪を必死に押さえて、恥ずかしそうにうつむいていた。


「そのまま一人にしておくのも心配だったから、雛の隣でしばらくお話してたの。そしたら仲良くなって…すぐに連絡先を交換したんだ」


雛とはそれ以来、よくスマホで電話した。

内容は色々。

お互いの事はもちろん、止まらないイジメの相談もされて…私はいつもこう答えていた。


「“受け身になってるだけじゃダメだよ、行動を起こさなきゃ”…私はイジメられてる雛にそう言ってた。今考えてみたら、無責任な話だよね」


イジメられている人が行動を起こすなんて、想像以上の勇気が必要だ。

これは琴李からイジメを受けて知った事。

当時の私はイジメとは無関係な生活を送っていたから、そこの配慮が足りていなかったと思う。


「それからしばらく雛からの電話がなくなって…イジメが解決したのかな?なんて思ってたの。でも…突然電話があって」


ある日の事だ。

久しぶりに聞いた雛の声はとても明るい物だった。

___一緒に、あの世に咲く花を見に行かない?


___私、お母さんに会いにいきたいんだ。


___私のSNSを見に来て。待ってるからね。