友達ドール2


ネモフィラと呼ばれる青くて可愛い花。

どこに行きたいかたくさん話して、琴李が見たいと言ったからこの場所に来る事を決めた。

通路に沿って歩き、花畑をバックにスマホで写真を撮る。

家族連れやカップルが目立つ中、そんなのお構いなしに私達ははしゃいでいた。

近くにはキッチンカーが並ぶエリアが用意されていて、ネモフィラをイメージした色のソフトクリームを見つけて購入する。

近くのベンチに座り、ソフトクリームを口にすると、爽やかなソーダの甘味が口の中に広がった。

周囲は賑わう人達の声で溢れている。

だけど私達のいる空間には穏やかで静かな時間が流れていた。

それが心地良くて、この時間がずっと続いてほしい…そんな事を考えながらソフトクリームを食べる。


「ねぇ…実由ちゃん、聞いてもいい?」


カリッとした香ばしいコーンの部分をかじった時、不意に琴李が声をかけてきた。


「ん?どうしたの?」


「雛ちゃんの事…どんな子なのかなって気になってて…」


こちらの顔色をうかがうように、琴李が呟く。

私は口元をペロリと舐め、目を閉じて雛を思い出した。


「雛は…明るくて、写真を撮るのが好きで…普通の女の子だったよ」


「そうなんだ…。えっと…今もよく遊ぶの?」


私は首を左右に振る。


「ううん…雛は、死んじゃったから」


「え…」


琴李の目が大きく見開かれる。

持っているソフトクリームがタラリと一筋コーンを流れていった。


「ご、ごめんなさい…知らなくて…」


「いいよ、気にしないで」


しばし訪れた沈黙の時間。

それを破ったのは私だった。


「ねえ、琴李…私と雛の話を聞いてくれる?」