友達ドール2


私は全てを告白する事にした。


「私が頼んだの。私が、琴李に、頼んだ事なの」


「…は?…頼むって…何を…?」


全員の視線が私に集まる中、私は真っ直ぐに前を向いて言葉を放つ。


「私をイジメてほしいって…私が琴李にお願いしたの」


その事実に、ミオは目を瞬かせた。

ミオだけじゃない。

教室にいる全員が、ざわざわと騒ぎ始める。


「…は?どういう事…?」


「自分からイジメられにいったの…?」


「何それ…何でそんな事頼むの…」


「やっぱりおかしい奴なんだよ、あいつ」


背後でちゃぷんと水の揺れる音がする。

琴李がバケツを持って戻ってきたらしい。


「実由ちゃん…?どうしたの…?」


「琴李…行こう」


私は琴李の手を取り、教室の外へ向かう。


「えっ…あっ…」


突然引っ張られた琴李の手からバケツが離れ、教室の床に大量の水がこぼれた。

それが合図かのように、ミオの口から言葉がもれ出る。


「…実由、あんた、おかしいよ…」


私は何も返さず、琴李とその場を後にした。

自分がおかしい事なんて、とっくに知ってる。

ただ、話さなかっただけ。

理解なんてされないって知ってたから。

だから、理解して協力までしてくれた琴李が特別。

私の友達は…もう、琴李だけでいい。

教室を出た私が後ろを振り返る事はなかった。


***