私は全てを告白する事にした。
「私が頼んだの。私が、琴李に、頼んだ事なの」
「…は?…頼むって…何を…?」
全員の視線が私に集まる中、私は真っ直ぐに前を向いて言葉を放つ。
「私をイジメてほしいって…私が琴李にお願いしたの」
その事実に、ミオは目を瞬かせた。
ミオだけじゃない。
教室にいる全員が、ざわざわと騒ぎ始める。
「…は?どういう事…?」
「自分からイジメられにいったの…?」
「何それ…何でそんな事頼むの…」
「やっぱりおかしい奴なんだよ、あいつ」
背後でちゃぷんと水の揺れる音がする。
琴李がバケツを持って戻ってきたらしい。
「実由ちゃん…?どうしたの…?」
「琴李…行こう」
私は琴李の手を取り、教室の外へ向かう。
「えっ…あっ…」
突然引っ張られた琴李の手からバケツが離れ、教室の床に大量の水がこぼれた。
それが合図かのように、ミオの口から言葉がもれ出る。
「…実由、あんた、おかしいよ…」
私は何も返さず、琴李とその場を後にした。
自分がおかしい事なんて、とっくに知ってる。
ただ、話さなかっただけ。
理解なんてされないって知ってたから。
だから、理解して協力までしてくれた琴李が特別。
私の友達は…もう、琴李だけでいい。
教室を出た私が後ろを振り返る事はなかった。
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