ミオは両腕を組んで言い放った。
「庇わなくていいよ。あの子があんたに何をしたか…もうクラスメイト全員が知ってるから」
「何の事?」
「その髪の毛だよ…!成宮さんが原因なんでしょ?あんた大事に伸ばしてたのに…!」
少し大きくなったミオの声に呼応するかのように、周囲の声が聞こえてくる。
「…やっぱり成宮さんなんだ…」
「イジメとか本当にしてたんだ…ショック」
「髪切るとか、頭いかれてるだろ」
「ざまぁないよな…イジメられる奴の気持ちを知れっつーの」
男子も女子も、琴李の事を悪く言っている。
しまった…私はなんてバカなんだろう。
私へのイジメをしていた琴李。
そんな彼女が、周りからどう見られるかを全く考えていなかった。
そのせいで今度は琴李がイジメられる。
「昨日、倉庫で成宮さんに髪の毛を切られるあんたを見たって子がいるの。…もう大丈夫だから。今度はあの子が苦しめばいいんだよ」
ミオが私の肩に優しく手を置く。
私は必死に首を振った。
「違うのミオ、あれはね___」
「あんたは何もしなくていいの。私達で徹底的にやってやるから、だから___」
“徹底的にやる”…その言葉に私はその手を冷たく叩き落とした。
ミオや周りのクラスメイト達が目を丸くする。
「いい加減にして…私の話を聞いてよ!」
私から発せられた怒声に教室がざわめきだす。
ギロリとミオを睨みつけた。
琴李に手を出すなら許せない。
何も知らないくせに。



