久しぶりに琴李と一緒に帰路につく。
さすがにこのまま家に帰るわけにいかないから、近くの美容院に飛び込んだ。
「ショートってなんか慣れないなぁ…変じゃない?」
見栄え良く切り揃えられた髪の毛を触りながら呟く。
サイドが少し長めの髪型…前下がりショートというらしい。
色んな髪型があるものだ。
隣を歩く琴李が微笑む。
「短いのも似合ってるよ、可愛い」
「そうかな?…それならいっか」
髪を切られたショックからはもう立ち直っていた。
琴李と手を繋ぎながらこれまでのイジメについてお喋りをする。
琴李はスマホなどで色んなイジメを調べて、少しずつ私が壊れていく物を厳選して行動に移していたらしい。
「実由ちゃんは髪の毛を大事にしてたから、それを奪って終わろうと思ったの…でもやり過ぎだったよね、ごめんなさい…」
「いいの。あれが最後だったからこそ、知りたかった事が知れたんだから。謝らないで」
それが今の素直な感想。
代償の分、収穫も大きかった。
後悔は、もうない。
家に帰るなり、由太が目を丸くして私を見てくる。
「え…それ…どうしたの、髪」
私は琴李と顔を合わせて笑った。
「んー、ちょっとイメチェン?」
軽くなった頭を触りながら、これはパパとママも驚くだろうなと苦笑した。



