友達ドール2


彼女は私を見てニコリと可愛らしく笑っている。

その隣、倉庫の中央には椅子が置かれていて、琴李がその座面をポンと叩いた。


「ここ座って?髪の毛結んであげる」


「えっ…?」


…髪の毛?

なんで結ぶの…?

疑問に思いながらも言われた通りに椅子に腰を下ろす。


「ちょっと触るね」


そう言った琴李の手がサラサラと私の髪を撫でる。

地肌を傷つけないように…指の腹を使い手ぐしのようにして髪の毛がとかれていった。

後ろから琴李が何かを取り出す気配がして体が強張る。

僅かに首を動かし、彼女の手元を盗み見た。

そこにあったのは…白い髪ゴム。

何の飾りもないシンプルな作りのそれが、私の髪を一つに束ねていく。


「はい、できたよ」


肩の辺りで緩く一つくくりに髪がまとめられていた。


「あ、ありがとう…でも急になんで髪を…?」


「だって、散らかると大変でしょう?」


私の言葉に、後ろにいる琴李が笑った気がした。

琴李の片手がそっと束ねられた髪を掴む。

少し後ろに頭の重心が傾き、上を見上げた事で琴李の顔が見えた。

私の動きが止まる。

髪を掴んでいない、もう片方の琴李の指先。

その手には…刃先の長いハサミが握られていた。


「___あ…」


瞬間的にこれから起こる事が分かった。

でも、すぐに抵抗ができない。

頭で分かっているのに、体の反応が遅れていた。

琴李はニコリと笑って、刃先を髪の毛にあてる。

そして___耳の近くで金属音。

頭がふっと軽くなると同時に、背後でボトッと音がした。

何かの塊が落ちる音。