「あの……美咲、……」
「はぁあ。嫌味も大概にしたら? まずその顔、十人いたら十人好きな顔じゃん。綺麗と可愛い両方の顔立ちっていうの?スタイルだって良いしさー」
「そ、そんなこと。スタイルなんて美咲の方がずっといいよ」
「ほんとムカつく! あたしもスタイル良いのは認めるけど花音ほどじゃないわけ。現に一緒に歩いてて芸能事務所からスカウトされるのいっつもあんただけじゃん」
再び蚊のなくような声でごめん、と呟いた私に彼女は舌打ちをした。
「勉強はうちの学部常連トップ、水泳は高校の時に全国大会優勝、陸上部からの誘いも絶えないくらいの瞬足だし、実家はタワマン最上階で、荒木コーポレーションの社長令嬢でしょ」
「…………」
「何とか言ったら?」
「本当のことだから……でもそのことで気を悪くさせたなら今度から……気をつけるね」
「何を? てかいちいち間に受けてうざい。なんかあんたってドラマのヒロインみたいでムカつくのよね。はぁーあ。なんで天は二物も三物もなんで一人にあげちゃうんだか」
私と美咲は同じ高校出身で、偶然にも同じ大学、同じ学部だった。その事から私は大学に入ってから美咲と話したり出かけたりすることが多かった。
私にとって美咲はこうやってカフェにきたり一緒に講義を受けたりできる、たった一人の友達なのだ。失いたくもなければ、気まずくなりたくもない。
「本当、ごめんね。こんな私だけど……これからも美咲とは友達でいたいの」
「友達ねー」
美咲はそれ以上、何も言わずアイスラテを口に含む。そして何かを思い出したように、一瞬目を見開いた。
「美咲?」
「ね。この間、隣の学部の璃子から突き飛ばされて酷い捻挫したんでしょ? あれ、どうなったの?」
「あ……、でもあれは……私も悪いから」
俯いた私にもう何度目かわからない美咲のため息が聞こえてきて、嫌われてしまう不安からテーブルの下でぎゅっと拳を握った。
「はぁあ。嫌味も大概にしたら? まずその顔、十人いたら十人好きな顔じゃん。綺麗と可愛い両方の顔立ちっていうの?スタイルだって良いしさー」
「そ、そんなこと。スタイルなんて美咲の方がずっといいよ」
「ほんとムカつく! あたしもスタイル良いのは認めるけど花音ほどじゃないわけ。現に一緒に歩いてて芸能事務所からスカウトされるのいっつもあんただけじゃん」
再び蚊のなくような声でごめん、と呟いた私に彼女は舌打ちをした。
「勉強はうちの学部常連トップ、水泳は高校の時に全国大会優勝、陸上部からの誘いも絶えないくらいの瞬足だし、実家はタワマン最上階で、荒木コーポレーションの社長令嬢でしょ」
「…………」
「何とか言ったら?」
「本当のことだから……でもそのことで気を悪くさせたなら今度から……気をつけるね」
「何を? てかいちいち間に受けてうざい。なんかあんたってドラマのヒロインみたいでムカつくのよね。はぁーあ。なんで天は二物も三物もなんで一人にあげちゃうんだか」
私と美咲は同じ高校出身で、偶然にも同じ大学、同じ学部だった。その事から私は大学に入ってから美咲と話したり出かけたりすることが多かった。
私にとって美咲はこうやってカフェにきたり一緒に講義を受けたりできる、たった一人の友達なのだ。失いたくもなければ、気まずくなりたくもない。
「本当、ごめんね。こんな私だけど……これからも美咲とは友達でいたいの」
「友達ねー」
美咲はそれ以上、何も言わずアイスラテを口に含む。そして何かを思い出したように、一瞬目を見開いた。
「美咲?」
「ね。この間、隣の学部の璃子から突き飛ばされて酷い捻挫したんでしょ? あれ、どうなったの?」
「あ……、でもあれは……私も悪いから」
俯いた私にもう何度目かわからない美咲のため息が聞こえてきて、嫌われてしまう不安からテーブルの下でぎゅっと拳を握った。



