「なにそれ。奨学金で大学行ってるあたしはお金なくて可哀想だからってこと?」
「違っ、そうじゃないの。私が美咲の話ちゃんと聞いてなかったから。悪いことしたなって……」
「反省してんのね?」
「うん、すごく……」
「じゃあ今回だけ特別に許してあげる」
「ありがとう」
美咲が明るいピンク色の唇を引き上げたのをみて心から安堵する。
「──お次のお客様、お待たせ致しました」
「はぁい」
美咲が鼻にかかった甘えた声で注文をする声を聞きながら、私はカップケーキとチョコレートケーキの二択まで絞り込む。
(どうしよう……私ってほんと優柔不断)
「──お次のお客様、ご注文をどうぞ」
その声に顔をあげれば、すでに美咲は会計を済ませたようで商品を持って席へと歩いていくのが見えた。
(あ……)
「お客様、大変お待たせ致しました。ご注文をどうぞ」
「あの、アイス抹茶ラテと……えっと、ケーキを……迷ってて」
「ああ。たくさん種類あるから悩みますよね。ゆっくりで大丈夫ですよ」
その気遣うような優しい声色に私が顔を上げるとはじめて男性の店員と目があった。前髪が少し長めの茶髪で名札には『古谷』と記載されている。
「ありがとう、ございます……」
「いえ」
「違っ、そうじゃないの。私が美咲の話ちゃんと聞いてなかったから。悪いことしたなって……」
「反省してんのね?」
「うん、すごく……」
「じゃあ今回だけ特別に許してあげる」
「ありがとう」
美咲が明るいピンク色の唇を引き上げたのをみて心から安堵する。
「──お次のお客様、お待たせ致しました」
「はぁい」
美咲が鼻にかかった甘えた声で注文をする声を聞きながら、私はカップケーキとチョコレートケーキの二択まで絞り込む。
(どうしよう……私ってほんと優柔不断)
「──お次のお客様、ご注文をどうぞ」
その声に顔をあげれば、すでに美咲は会計を済ませたようで商品を持って席へと歩いていくのが見えた。
(あ……)
「お客様、大変お待たせ致しました。ご注文をどうぞ」
「あの、アイス抹茶ラテと……えっと、ケーキを……迷ってて」
「ああ。たくさん種類あるから悩みますよね。ゆっくりで大丈夫ですよ」
その気遣うような優しい声色に私が顔を上げるとはじめて男性の店員と目があった。前髪が少し長めの茶髪で名札には『古谷』と記載されている。
「ありがとう、ございます……」
「いえ」



