メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?


 やばいな……これを和真さんに知られてしまえば……と危機感を覚えつつ玄関を開けると、あれ? この靴……和真さんの靴? も、しかして……帰ってる?


「遅かったな、瑠香」

「……た、だいま、帰りました……」


 だいぶ、不機嫌な和真さんが、迎えてくれた。

 やっぱり、私、やらかした……

 そして、和真さんはズンズンと速足に私に近づいてきては冷ややかな目を向けてくる。怒ってる、これは。


「あの、ご、ごめんなさい……」

「そうじゃない。何で、冬真の車で帰ってきたんだ?」

「えっ……」


 冬真さんの、車……?


「そ、その、偶然泉谷さんとお会い、して、お茶をして……お義兄さんと、お会いして、送っていただきました……」

「ふぅん……他には?」


 そして、指を差したのは……私のワンピースに零れた、紅茶の痕。


「あ、あの、ごめんなさい、汚してしまって……」

「そうじゃない」


 この紅茶の事を、聞きたいらしいけれど……言えない。泉谷さんに言われてしまった事は事実で、例え指輪をしていても、着飾っているだけで、中身は平凡な、貧乏な一般家庭の独りぼっちだから。

 だから余計、和真さんには、言えない。


「あの、その……私が、やらかしてしまって……」

「……そんなに俺が信用ならないか」


 ……えっ?

 信用、ならない?


「もういい。早く着替えて手当」

「えっ、あの、和真さん……」

「何だよ」


 その時の和真さんは……不機嫌ではあるけれど、少し、悲しげにも見えた。

「……何でも、ありません」

「そ」


 和真さんに限ってそんなはずはない、と思っても……そう見えてしまった。