メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?


「あら? 奇遇ね、瑠香さん」


 大学の帰り。早く帰って小夜子さんのお手伝いをするはずだったのに、数日前に一緒に食事をした泉谷さんと会ってしまった。

 今日の彼女も、とても素敵で高級感のあるワンピースとバッグ、ヒールの高い靴を履いている。


「もしよかったらお茶でもしない? これから家族になるのだから、仲良くしたいって思っていたの。どうかしら?」

「えぇと……」

「さ、行きましょ」


 そう言って、手を取り進み始めた泉谷さん。私に聞いておきながら勝手に決めてしまうのは……どこか叔母に似ているように感じる。

 そして、私達が入ったのは近くのお店。格式高そうな外装で、中に入ると高級感のある内装が広がっていた。

 私達は、そのお店の奥に案内された。個室らしく、白いテーブルクロスがかけられた丸テーブルがあり、そこに着席した。


「瑠香さんって苦手なものはなかったわよね? この前の食事でもなさそうだったけれど……」

「あ、はい、大丈夫です」

「そう、じゃあ……私が決めてもいいかしら? おすすめがあるの」

「あ、はい、じゃあ……」


 来たことがあるらしく、スムーズに注文が終わった。けれど、一体どんな話をしたらいいのか分からない。


「この前の食事の時、冬真さんと和真、そっくりで驚いたんじゃない? 二人は一卵性双生児らしくてね。でも性格が全然違うの。面白いでしょ?」

「そう、なんですか……確かに、そっくりでした……」

「あまり知らない人だったら……喋らなかったら涙ぼくろでしか判断出来ないものね」


 でも、気が付いた。この人、和真さんのお兄さんである冬真さんの婚約者よね? それなのに、婚約者には冬真さんで、弟には和真。この違いは、何だろう。仲が良い、って事なのかな。

 彼女は、とある大企業の社長の社長令嬢らしい。月城グループよりは小さい会社らしいけれど、私でも聞いたことのある有名な会社のご令嬢だ。そんな方と、私は一緒に今お茶をしてしまっている。

 緊張感が……やばい。今ここに和真さんがいないから、余計だ。