メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?

 あ、まぁ、和真さんの気持ちも分かるけれど……いきなりやめてしまっていいのかな?


「瑠香がせっかく真面目に稼いで送っていた仕送りでいろいろと遊び歩いているんだからな。この際きっぱりと切ってしまった方がいい。だが、となると何故仕送りを辞めたのか聞きに来る」

「……」


 うん、確かに私のところまで来そうだ。なるほど、それも見越してのこのアルバイトか。


「高いところが苦手なお嬢さんがいたからな、ちょうどよかった」

「……」

「何だ、言いたいことがあるなら聞くぞ?」

「……なんでもありません」


 これは、私が高所恐怖症な事を知ってたな? あ、まぁ、私七瀬さんの家でも和真さんの家でも窓側には一切行かなかったし、そもそも外に目を向けなかった。意外と分かりやすかったか。

 もうすでに引っ越し準備は出来ているらしい。なら、私もさっさと荷造りをして引っ越し準備をした方がいいという事ね。


「瑠香もアルバイト3つは無理だろう。なら、小夜子の手伝いの為にも一つに絞ったほうがいいんじゃないか?」

「……頃合いを見て、何とかします」

「よろしい」


 ……和真さんには、敵わない。そういう事だろうな。

 だって、私が正直に言う前から準備していたって事よね。そういう事よね。

 私、この人と結婚してよかったのかな。まぁ、1年の付き合いではあるけれど。


「よし、じゃあ鴨肉食いに行くぞ」

「……はい」