そう。 反対方向なのだ。 「翔はどこ行くのか?」 「あ~。俺も鴛桑高かな?」 確かに、翔は潤よりも頭が良い。 鴛桑高に一番合格が近いかもしれない。 わかっていたけれども、少しショックだった。 「本当は佐保高でもいいかな~と思っていたけれども」 翔は考えているとき、親指を隠す。 「何だ?」 「いや。思うことがありましてね~」 何か怖い。 そう思った。