ある日。 担任に呼ばれた。 「速水。そろそろ、進路どうするのか?」 もうそんな時期なのか。 そう思い、ため息をついた。 「今のお前なら、佐保高行けるじゃないか?」 佐保高― 佐保高等学校は、この地域の有名な高校。 大学の進学率は高い。 「いや。いいです」 ふと、脳裏に鴛桑高校が浮かんだ。 「俺、鴛桑高校に行きたいです」