そして、何も話せないままに。 季節は冬から、春へとなった。 藤宮 沙羅は卒業した。 詩苑女子学院に無事合格したと、翔から聞いた。 「良かったのか」 そう何度も聞かれた。 告白しなくて良かったのか。 話さなくて良かったのか。 このままで良かったのか。 会えなくても良かったのか。