涙を包むラベンダー(リメイク)

逢月姫
「大丈夫…!上からの景色…一緒に見たいの!」

私は反射的にそんな独り言をつぶやいた。

逢月姫
「あれ…?私は誰に向かって…。」

中腹まで来たラベンダー畑の斜面から、ふもとを振り返った。



(ー逢月姫、大丈夫?ー)



『大丈夫ですか?』

逢月姫
「だ、大丈夫です!急に立ち止まってごめんなさい!」

私の後ろを歩いていたカップルが、心配そうに私を見つめていた。

2年前、私が松葉杖をついてここを登った時は、彼が後ろから支えてくれた。

同じ場所、同じ状況で、きっとその時の彼の声が再生されたんだ。

逢月姫
「おかしいな…まだ思い出すなんて。気持ちの整理、ついたはずなのに…。」