ハニートラップ

私が逃げ出した後も、高峰くんはいつも通りだった。

意識してるのは私だけ。
つまりはそういうこと、だ。

数日経った放課後、2組の教室の前で待ちぼうけしている星野さんの姿を見つけた。

声をかけようとして、迷う。
遊園地には一緒に行ったけど、距離はまだ掴めていない。

ふっと正面から視線を外した星野さんが、私を見つける。

「……ども。」

ぎこちなく手を挙げると、星野さんもぎこちなく会釈した。