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珠桜達がお手洗いに行ってる間、俊平と久哉は土産物屋を覗いていた。
呑気に半目の黄色いウサギの様なマスコットのキーホルダーを物色する俊平を、久哉は冷ややかに見ている。
「……それ、彼女にあげるの?」
俊平が手にしている物を指差す。
幸せそうな姿がムカついて、ちょっと揶揄ってやろうと思った。
なのに。
「いや、これは珠桜に。」
その名前を聞いた途端、久哉の眉がピクリと動く。
我慢していたものが、またチリチリと燃え始める。
「これアイツが好きなキャラ。
今日は助けてもらっちゃったからさー。」
――何も知らないクセに。
手の平に置かれたキーホルダーを奪い取る。
ぽかんとしている俊平に、久哉は鋭く凄んだ。
「そうやって無駄に珠桜のこと揺さぶるの、やめてくれない?」
「は?」
本気でわかっていない顔。だから余計に腹が立つ。
――コイツに当たったところで、無駄。
深い溜め息を吐いて冷静さを取り戻した。
「……いーよもう。“終わらせた”から。」
キラキラとした照明がやたらと眩しくて、小さく舌打ちをした。



