泣き腫らした目が元に戻らないのを気にしながら、独りで帰り道を歩く。 夕日はもう落ちかけてて、オレンジ色の空が闇に呑まれ始めていた。 瞬きをする一瞬の暗闇にも、脳裏に高峰くんとのキスの記憶が蘇る。 いつのまにか夕日が伸びる空き教室。 その光の死角、窓際の真下。 もう何の跡かわからないくらいびしょ濡れの頬を、高峰くんの手の平が拭う。 「俺からの連絡、もう無視しないでよ。」 そう言ってまた、抱き締められた。