空気が揺れて、時間が動く。
気づいた時には、もう高峰くん腕の中。
優しいフリした触れるだけのキスが、何度も何度も続く。
「俊平……っ、」
嗚咽混じりに口をついて出た好きな人の名前を、高峰くんが塞ぐ。
ポロポロと涙が溢れるのに、拭う暇も与えてくれない。
キュンと狭くなる胸の痛みは、悲しみなのかときめきなのかもわからない。
――私は今日、失恋したのに。
高峰くんは、感傷にすら浸らせてくれなかった。
** Temptation/誘惑 【complete.】
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