ハニートラップ


途端に空気が張り詰める。

伏せた目から光が消えて、口元は歪に歪む。
刺激的な香水の匂いが、肺をじわじわ浸食した。


「……っ、」


全てを見透かされている気がして、戸惑ってただ首を振る。

空いていた手が優しく私の頬を掬い上げて、強制的に向き合わされた。



「安心してたからだよ。
俊平が色恋に興味ないガキだったから。」



私のズルい心を引き摺り出す様に、高峰くんが毒を刺す。



――認めたら、終わる。

焦りを瞬きで誤魔化して、口を噤んだ。


毒が巡るのを待つ様に、高峰くんは黙って私の髪を撫でる。


見開いていた私の目が、光を失くしてゆっくりと細くなっていく。

それを見計らって、高峰くんはトドメを刺しにきた。