何もない殺風景な部屋。
階下のリビングでは、家族団欒の声が聞こえる。
部屋の片隅に座って、ボロボロの紙切れと、血の跡が消えない白いハンカチをずっと眺めている。
“広葉高校学校見学会申込書”と印字された氏名欄には、
「呼水珠桜」の文字。
“ここに行けば会えるかも。”
その賭けには勝ったのに、ずっと会いたかった人はすでに別の男を見ていた。
『ちょっとお兄さん!大丈夫ですか!?』
霞む視界に、一筋の光。
野暮ったい2つ結びの髪と、今より少し幼い焦った顔。
ボコボコに殴られた傷に、夏の日差しが染みる。
――あの日から俺は、ずっと珠桜に会いたかった。
階下のリビングでは、家族団欒の声が聞こえる。
部屋の片隅に座って、ボロボロの紙切れと、血の跡が消えない白いハンカチをずっと眺めている。
“広葉高校学校見学会申込書”と印字された氏名欄には、
「呼水珠桜」の文字。
“ここに行けば会えるかも。”
その賭けには勝ったのに、ずっと会いたかった人はすでに別の男を見ていた。
『ちょっとお兄さん!大丈夫ですか!?』
霞む視界に、一筋の光。
野暮ったい2つ結びの髪と、今より少し幼い焦った顔。
ボコボコに殴られた傷に、夏の日差しが染みる。
――あの日から俺は、ずっと珠桜に会いたかった。



