ドクン。
その名前を聞いて、心臓が凍りつく。
キーンと高い耳鳴りがして、無意識に唇が僅かに上向いた。
「どう…して……?」
誰にもバレたことなかったのに。
よりによって、何でコイツに……。
背中に嫌な汗が伝う。
ドクンドクンと縮んだり膨らんだりする心臓の音が、うるさい。
「あれ?図星?」
楽しそうな高峰くんの声が、私の心にヒビを入れる。
泳いでいた目がぐらぐら揺れて、崩れないように強く目を瞑った。
「……気安く名前、呼ばないで。」
もうそこに触れてほしくなくて、締まる喉から何とか言葉を絞り出す。
高峰くんの光る眼光が緩やかに細くなって、私の唇を守る手の平にキスを落とす。
ふわりと触れた熱のある感触があまりに甘くて、優しすぎると錯覚した。



