「“2回目に”向けてくれた笑顔がコレとか、不服だなぁ。」
“2回目”
その言葉に違和感を持つ前に額が軽くぶつかって、お互いの前髪がグシャリと歪む。
私の唇を熱っぽい吐息がなぞって、キスの感触を強引に思い出させてくる。
思わず自分の唇の前に手を翳して、ガードした。
気を張って、何とか泳ぐ目で対峙し続ける。
路地に人は誰もいない。
どこかの家から、楽しそうなテレビ番組の音が漏れ聞こえてきた。
それに混じって、クス、と小さな笑い声が落ちてくる。
優位な視線は、ただの一度も揺らがない。
また、音が掻き消された。
「………珠桜ちゃんってさぁ。
好きでしょ。俊平のこと。」



