夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー



「そんなこと言われたってな…。嬢ちゃんの持つ力なんざ、俺は分からねぇんだ」


 知らない。



 夢宮についても。

 孫がこの小娘に助けられた状況も。



 母さんのことも。

 この小娘を信じるべきかも。




 何もかも、分からない。


 …俺には分からない。



 不貞腐れたように再び床に腰を下ろす。

 信用なんてしていないが、ここで帰るのはもったいない。



 隣に母さんがいたなら、たぶんそうした。

 そんな基準でしか判断が出来ない自分に、心底嫌気がさす。

 
「その怯えるような()()も、一滴も残さず飲み干してみせます」