夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 また、大切な何かを失ってしまうのが、誰もいない真っ暗闇が。


 怖くて怖くて、壊れそうで。


 そのせいで、こんなにも感覚が死んでいる。


 私は、いつまで夕芽でいられるの?
 湊先輩の前で、可愛く笑えるだろうか。


 そのためには、こんなもの、美味しいなんて…。

 思っては、いけないのに。

 
 そう感じる自分が恐ろしいものに思えて。

 
『お嬢ちゃん、あんたは本物だ。本物の聖女様だよ』

 
 私は、聖女なんかじゃない。

 ──ただの化け物だ。