夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 桃色に淡く輝く組紐を鞄にしまって、最後にもう一度、少女を視界に映した。

 
「お嬢ちゃん、あんたは本物だ。本物の聖女様だよ」


 少し表情を揺らした少女の返事を待たず、俺は神社の鳥居をくぐった。


「……夕飯に、桃を剥いてやるか」

  
 ここに来た時より幾分か、背丈が伸びたような晴れやかな気持ちだった。