一刻も早く、家に帰りたい。 母さんが待つ、俺の家に。 「お役に立てたなら何よりです」 老眼の俺には、かつての激情なんて小さすぎて見えない。 ルーペかなんかでそれを見る時間で、もう1品おかずが増やせる。 俺は、母さんの隣が好きだった。 何十年が経っても、色あせないくらいに。 だから、帰らなければならない。