夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 いつしか、憎しみは俺の心から消えていた。


 ……いや、違う。



 遠い過去の物だと思えるほど、小さく古い感情へと変わっていた。




 まさかこれが、夢宮の──俺が小娘と侮っていた少女の力なのか。



 パチン、と音を立てて、少女がはさみで組紐の端を整える。


 それから、組んだ紐が解けないように、固く結んだ。

 
「では、こちらをどうぞ」
「ありがとな…お嬢ちゃん」