手料理を振る舞ってくれるようになった。 どこか懐かしい味のそれを、腹がはち切れる手前まで掻き込んだ。 小さなわがままを言ってくれるようになった。 車の運転は苦手だったが練習して、どこへでも連れて行った。 俺は、母さんの隣が好きだった。 何年も想い続けて、ようやく手に入れたはずだった。 互いを誰よりも理解したまま、一生を終えると。 無愛想ながらに俺は、本気でそう信じていた。