ケーキ作りの授業は他の生徒も参加して大所帯だった。
この間と同じ様に手を洗ってからテーブルでベースになる生地を焼くため準備していると、理央が聞いた。
「加納先輩、石巻先輩、卵片手で割れますか?」
「私は、……できるわ。」
「……」
伊鞠が上手に片手で卵を割った。
恋はわくわくしながらボールに牛乳を入れた。
ケーキ生地を焼くだんになって、温めたオーブンに生地を入れテーブルで待っていると、伊鞠が言った。
「今回は、黒王子用のメニューだけど、白王子の好きなものは何だったかしらね?」
「……」
「白王子の公式好物は、カレーライスとアイスクリームですよ。先輩、忘れたんですか。」
理央が言うと伊鞠が言った。
「アイスクリームもカレーライスも、自分でも作れるわね。新田さん、樋山くんに作ってあげたらどうかしら。」
「いいと思うけど、恋、上野くんが怒るよ」
理央が言った。
「彼氏を優先するか準彼を優先するかだけど、そこは恋次第だよね」
「私は……」
「恋時々準彼優先しなよ。それで上野くん妬かせなよ。その方が面白いって。」
「新聞部もそう思うわ。その方が映える記事になるのよ。」
伊鞠が笑って、恋達は生地が焼き上がるまで宗介と美風の話をしていた。


