幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜






 


 休み時間。

 今日は用事が多い日で、恋は、今度は放送室に呼ばれて教室を出た。

 すると廊下にたむろしていた黒白王子の親衛隊の中から、うららが立ち上がって、また恋と一定の距離を保って歩き出した。

 新聞部は、うららを警戒して恋を守るために教室へ来ていた。

 伊鞠と桂香は、それと悟られない様に、また再びうららの後をつけ出した。


「黃崎さん話しかけないけど、一体何してるのかしらね。」


 伊鞠が言った。

 桂香が無表情で言った。



「……悪意」

「その通りよ。危ないわね。」



 物陰に隠れたうららは、恋が放送室に入っていくのを見てため息をついた。