メイクフェスティバルの当日。
恋は理央と連れ立って、隣町のホテルの会場に向かった。
電車を降りて会場に歩いていくと王道の高級ホテルの入り口には女の人ばかりがたくさん集まっていた。
恋と理央はその人群の中に、新聞部の伊鞠と桂香を見つけて駆け寄った。
「偶然。先輩達も来てたんですね。メイク興味あるんです
か?」
理央が聞いた。
「興味はないけど……私達、三角関係の姫のドレスアップ姿を撮るために参加したの。せっかくだから、撮らなきゃ勿体ないから。今日もカメラ持ってきてるのよ。」
「ああ、そういう事か。でも、参加者のペアの片方は、必ずメイクしなきゃならないんですよ。どっちがメイク係なんですか?」
「……化粧」
「私がメイクされる側なのよ。」
人群を見回しているうち、恋はその中に友達と居る黃崎うららを見つけて、ドキっとした。
恋が見ていると、うららが気づいて、友達の手を引っ張って恋の方に来た。
「奇遇だね。あんたも参加するの?、新田恋」
「……」
「黃崎さんフルネーム呼び辞めなよ。恋が怖がるでしょ。失礼だよ。」
理央が腰に手を添えて言うと、うららはふんと鼻で笑った。
「メイクの祭典って新田恋に似合わない。どうせその鬱陶しいルックス見せびらかしに来たんでしょ。あんたなんかメイクのメの字も分かんないんじゃない?」
「恋はお人形。今日は私がメイク係だよ。黙りなよ。そんな風に言うなんて。」
理央とうららの間に、伊鞠が割って入った。
「公の場で喧嘩は良くないわ。時に、白王子親衛隊の方、あなたはメイクする側?される側?」
「する側です。私とーってもメイク得意なんだから!」
うららが自慢気に言った。
「メイクの通信講座通ってる。駅前のファッションビルでいつもお客さん見て研究してる。今日は雛ちゃんをとーっても可愛く変身させるんだから!」
雛ちゃんと呼ばれた友達の方は、状況がよく飲み込めない様子で曖昧な顔をしていた。
恋達は会場へ向かった。
