幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始まる〜






 


 その頃、委員会が終わった宗介と美風は、鞄を取りに教室に戻っていた。

 
「さてと、これから家に帰って恋と夕飯。今日は何を食べるかな。」

 
 鞄を撮りながら宗介がわざと美風に聞こえるように言った。

 
「感じ悪。隣の家を自慢して。」

 
 美風は机の中の物を取りながら悔しそうに言った。


「良い。今度新田さんを連れて、フルコースの食事に行くから。お前の家の食事なんかどうでも良くなるよ。」

「最低。恋は一緒に行かせないぞ。僕の彼女に対して、いつもいつも図々しいんだよ。」


 と、そこで、新聞部の伊鞠と桂香が慌ただしく教室に入って来た。


「上野くん!樋山くん!」

「あ、先輩。ネタならありませんよ。」

「どうしたんですか、慌てて。」

「新田さんが……」


 話を聞くと、宗介と美風は、一気に緊張した顔をして立ち上がった。