幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜


 









 学校から、恋が家に帰ると、リビングに先に家に通されていた律が待っていた。

 律は今日は機嫌が良さそうで、恋に向かってにこにこと笑いかける。


「恋、今日は家に居る間、恋のお母さんと恋の話をしてたんですよ。」

「話って?」

「家では絵を描いてるとか、気に入ってる洋服は水色のワンピースだとか。色んな話をしましたよ。上野さんとどの位前から知り合ってたかとかそういう情報も聞き出しました。幼稚園の頃からなんですね。羨ましい。」


 律は部屋を見回すと、

 
「そうそう」


 と言って、鞄からあの例のガラス瓶を取り出した。


 
「恋」